10月から11月にかけて、講座、イベントが盛りだくさんです。
12月初旬まで慌ただしい日々が続きそうですが、大きな山は越えたので、少しずつ各事業の報告をしていきます。
まずは、11月7日に実施した市民講座「コウサカワタル 伝えたいコト/伝わる表現」の報告です。
コウサカワタルさんは、講座実施直前に発刊された雑誌「BRUTUS」に見開きで紹介されていました。
その特集は「気持ちいい音楽」。
講座では、まさに「気持ちいい音楽」を奏でていただきました。
まずはじめに、本講座の意図するところと、コウサカワタルさんについて簡単にご紹介した後、さっそく演奏していただきました。
今年9月にオランダで開催された「CAMERA JAPAN」に招聘された際に行ったパフォーマンスの再演です。
映画祭での演奏とあって、映像をバックに映し出しながらの演奏です。
映像制作は、M.Plantの新田雅一さん。
映像に使用したテキストは、昨年実施した平和学習フォーラムのパネリスト、親川志奈子さんの書き下ろしだそうです。
映し出される映像には、美しい自然と伝統工芸、そして米軍基地のフェンスや戦闘機。
沖縄の日常の風景がビジュアルとして流れ、そのうえに一人の女性、母親としての言葉がのります。
映像と言葉と、そして音楽が創り出す空間に様々な思いがよぎります。
映像の後半はテキストがなく、ただただ沖縄の強く逞しい自然の姿。
美しくて強い、心地よい音楽が身を包んでくれました。
演奏終了後は、表現に対する思いやきっかけなどについてお話いただきました。
三線を中心に据えながら、様々な楽器を演奏するコウサカさん。
エフェクターを使用し音を重ねることで、単旋律が和音を生み出します。
使用した楽器についても、説明していただきました。
現在メインで使用している楽器はインドのサロード。
インドの楽器とはいっても、職人さんと話し合い、あらゆるところに独自のアレンジをしているそうです。
調弦も三線にあわせて独自の音階になっているそう。
そのほかにも、ベトナムの一弦琴。
コウサカさん曰くカスタネットの次に簡単な楽器、口琴も。
このほかにも、鼻笛、もちろん三線も。
様々な楽器を駆使しながら、独自の「現代沖縄音楽」を生み出しています。
いわゆる「伝統」というものを脱ぎ捨て、楽器の声を聴く。
楽器には、その形、音色になった必然があるので、「伝統」を脱ぎ捨てても、楽器にまつわる様々な歴史や背景が立ち上がってくる。
その楽器の特性を活かして新しい音楽を紡いでいくことに、沖縄現代音楽の可能性がある。
コウサカさんの演奏、そして表現への思い、楽器についてのレクチャーを聴くなかで、そのようなことを感じました。
受講者からも様々な意見、感想をきくことができました。
このブログではうまく書き表すことができないほど、たくさんのことを学んだ有意義な講座になったと感じています。
(宮城)