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防災の専門家のお二人を再びお招きして、今回は曙地区に絞って深めていきました。
「災害プラットフォームおきなわ」の代表理事で、社会福祉士で災害ソーシャルワーカーの稲垣暁さんと、「にいがた災害ボランティアネットワーク」の李仁鉄理事長のお二人にお話いただきました。
11月3日に若狭公民館にて行われた講演会の内容はこちら(クリック)
稲垣暁さんは以前から曙小学校区で避難訓練・学校避難所ゾーニング検討などを行っており、その中間報告も兼ねて、「曙小学校区の災害リスクと資源」をテーマに講話しました。
朝・夕方の通勤ラッシュ時は渋滞になる曙地区では以下のようなリクスがあげられました。
●災害になると交通渋滞により救急車や消防車の到着が遅れる
●海や川からも近く、津波などの災害で被災する可能性が高い
●学校避難所を想定した場合、ソーシャルディスタンスを確保すると体育館・教室などを使用しても十分に場所の確保ができない
スーパーやパチンコ店等、曙地区には食料品店や娯楽施設があるので、これらの施設などで炊き出しを行うことで、食料配布や支援拠点になる可能性があります。
また、曙地区には那覇新港があり、災害時は水路の物流拠点になりえることがあげられました。万が一、被災してしまった場合、港の復旧が早く進めば、陸路で向かえない支援先へ、水路を使って物資や人材を輸送することが出来ます。曙地区の港が復興拠点になることもあるとの話がありました。
災害発生時には、行政職員がただちに来て避難所運営ができる可能性は極めて低く、学校と地域が協働して避難所開設ができるような体制作りが大切とということでした。
続いて、「にいがた災害ボランティアネットワーク」の李仁鉄さんより曙地区での避難所運営についてお話していただきました。
災害時は物資が主な都市の集積場所までは届くものの、そこから先の支援を必要としている場所「ラスト1マイル」に、物資を届けることが困難になっていることがあげられました。
一つの要因としては支援ボランティアの方々が車で災害現場にくることで渋滞が起こり、救急車や物資の車両がスムーズに移動ができなくなることが考えられます。通勤時間帯に渋滞が起こる曙地区でも同じことが起こる可能性があるとおっしゃっておりました。
また、最近では「避難所」=避難生活を送る場所と「避難場所」=一時的に身の安全を確保する場所を呼び分けるようになっているそうです。
「津波や地震を一時的に避難する住民」と「家や住居が倒壊して家に戻れない住民」、2つのタイプの住民には違う支援が必要になってくるので、わけて考えていきましょうとおっしゃっていました。
後半は講師2名によるトーク。
災害支援に地域の方は近所の顔と名前をわかっているので、問題事を拾い上げやすいし、外部から来た支援ボランティアを地域と繋げる役目ができる。
また、災害時は地図などが建物の崩壊により道が塞がったり、普段通りに通れない情報がわかっているので、支援先への道案内役など、外部と地域の通訳役としての役割がでてくる。
普段からの地域と行政の関係性を構築することが大切だと話し合われました。
社会福祉協議会などの行政に対しては、復興ビジョンの作成や、地域人材のキャスティング、資金調整、役割の割り振りなど、直接的な支援よりも「中間支援」の役割を担って欲しいとのアドバイスがありました。
曙地区の問題は災害時渋滞で、緊急車両などが災害現場へ到着することが困難になると想定されること。そのために、国道58号線のバスレーンなどは、災害時、緊急車両しか通れないなどというルールを作れば問題緩和に繋がるのではとのお話がありました。
曙小学校は収容人数が限られているので、「収容」避難所としてではなく災害復興拠点として活用することも検討する必要がある。また、災害時の自助力を伸ばすために共助・公助が支え、被災者が自立して避難生活を行う必要があるなどがあげられました。
次回は3月に再び李さん、稲垣さんを講師に、地域連携支援を行うことを目的とした講座を企画しております。
詳細が決まったら、また報告しますので、楽しみにしてくださいね。
動画でも講座の報告をしております。
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若狭公民館地域連携事業「なは防災キャンプ'20 講演会」
日時:12時13日(日)14:00~16:00
場所:那覇市立曙小学校体育館
対象:那覇市在住・在勤・在学者・関心のある方
定員:50名
問合せ:那覇市若狭公民館 098-917-3446/kouza@cs-wakasa.com
主催:那覇市若狭公民館・NPO法人地域サポートわかさ
共催:曙小学校区まちづくり協議会/Happyぼうさいプロジェクト
一般社団法人災害プラットフォームおきなわ
協力:那覇市社会福祉協議会/那覇市地域包括支援センター安謝
NPO法人たいようのえくぼ/やさしい日本語おきなわ
人も犬も猫も幸せ!な街つくり隊Okinawa
助成:沖縄しまたて協会/独立行政法人福祉医療機構(WAM)
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