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2025年12月1日月曜日

全国パーラー公民館サミット 報告②全国のパーラー公民館事例報告

  11月22日(土)から24日(月)三日にわたり全国パーラー公民館サミット・イン・那覇を開催しました!イベントの様子について元パーラー館スタッフの佐藤がレポートします。


二日目となる23日(日)の午前は、全国から集まったパーラー公民館の実践者たちによる事例発表。

同じ「パーラー公民館」といっても、地域によって名前が違えば役割も違います。
パーラー公民館は「何もしない」からこそ、場所や、集まった人や、そこに居る人によって、どんな場所にもなれるし、変化もしていく、その多様性をたっぷり感じることができました。


最初に簡単に元祖・パーラー公民館が生まれた経緯やどういった取り組みなのか宮城館長から紹介した後(元スタッフ佐藤からも一言)、さっそく全国で行われている取り組みについて伺いました。


最初の発表は、あおぞら協働センター(浜松市)


あおぞら協働センターがはじめて開催されたのは、2020年だと思っていたら、パーラー公民館に見学に来られた2019年に、戻ってすぐ開催されたたとおっしゃっていました。ブログを見たらちょうど海外から視察が来ていたり盛りだくさんの日だったようです。当時、野嶋さんが書いてくれたブログも見つけたので、こちらもご一読ください。

あおぞら協働センターは、81回開催され、来場者総数は延べ3,538人名だと言うから驚きです!
来館されるのは、主に親子連れて、子どもたちの体験と交流の場になっているんだな〜という印象でした。ご飯を食べることに困っているとか、見守りが必要とか、そういった人は暮らしていないエリアだそうです。さまざまな背景を持つ人が暮らすあけぼのとは、状況が違うけれども、公園にパラソルを立てるという場づくりで地域を盛り上げる活動になっていました。

部署が変わってしまって現在は引き継がれていないのは残念ですが、パラソルとテーブルを出したらとりあえず場は開けます。やってみようという方が現れてくれたら嬉しいですね。


次の発表は、ドコミンカン(熊本市)



発表してくれた小原さんは、前日に若狭公民館がやっているローカルラジオ番組に出演していただいたので、私は少しお話を伺っていました。パラソル貸し出しできるようにしているそうですが、みんな違う名前で活動しているというのが面白いです!
ドコミンカンという一度聞いたら忘れないネーミングはSNSで募集したそうですが、熊本弁のどこでん(意味は、どこでも)から生まれたそうです。
どこでもと言われたら、場は開きやすそうですが、なんで名前変えるのでしょうか?熊本県民の特徴かも、とおっしゃっていましたが、ほんとにユニーク!

かまどベンチを活用していて、火おこし体験もできるそうです。
防災士でもある小原さんならではのアイデアたっぷり、いくつもの広がりを見せていて、今後も楽しみです。


次の発表は、わいわい広場(益田市)

わいわい広場のある島根県益田市は過疎地。市役所の前に大勢の人が集まることは珍しいそうです。
岩坂さんが、若狭公民館におとづれた際、公民館ロビーに設置されたパーラー公民館の写真を撮ったり、サイズをはかったりして、島根に帰ってすぐに知人に見せたところ、そっくりなものが出来上がったそうです!

活動していくうちに、やっぱり黒板にしようと、テーブルに黒板塗料を塗って、現在はパラソルと黒板テーブルで活動されています。
対話を大切に耳を傾けていると、来館した子どもから「おにぎり屋さんをやりたい!」と言われ、具を持ち込んでもらっておにぎりを自分で握ってもらったり、具を持ち寄る豚汁などの美味しそうな活動が生まれているとか。パーラー公民館的取り組みの中では、新しいものが生まれやすいんだと改めて思いました。市役所前なのに火を起こしているというのは、なかなかイメージができないので、ぜひ、直接行ってみたいな〜と思いました。

次の発表は、アウトドア公民館(島根県飯南町)

わいわい広場と同じく島根県です。こちらも過疎地ですが、豊かな自然を存分に生かした取り組みが印象的でした!話を聞いていて「参加してみたい」と思わせてくれたのは、活動弁士でもある景山さんの話すスキルがすごいのもありますが、みんなに参加してほしいという景山さんの思いもあるのかなと思いました。


最後は、ぱーらーうがんもー(南風原町)
嬉しいことに、沖縄でも開催されているんです。


ぱーらーうがんもーからは、根川さんと、儀間のお二人で発表していただきました。
ソーシャルワーカーと地域コーディネーターのお二人で行っている取り組みでゴミ拾いをきっかけに対話が生まれ、ゆるやかな場づくりにつながってきたようです。
ゴミ拾いといえば、あけぼの公園も最初はゴミだらけで毎回3袋くらいゴミを拾っていました。人が集まっていると公園はほんとに綺麗になってくるから不思議です。
支える側と支えられる側の境界線が曖昧なことも居心地の良い場に大切なことだと思っています。


どの取り組みも、パーラー公民館らしくありながら、その土地や人に沿ったカタチになっていて、この誰でも真似しやすい仕組みが作れたのはすごいことだと改めて感じました。

「やってみたい」を「できる」にしながら
自然とパーラー公民館の形が変わっていく。

誰かがつくったサービスを消費するのではなく、
そこに来た人が、自分のやりたいことを実現できている。

全国にひろがるパーラー公民館の様子を知ることができ、とても嬉しい時間でした。

正解がないこそ、おもしろい!
各地域の特性や、そこに集まる人々、スタッフの性格など、そこにしかないパーラー公民館の多様な実践を報告していただきました。

事例発表終了後は、あけぼの子ども食堂のお弁当が待っていました。(sato)

報告③につづく