2021年12月2日木曜日

報告:グローバル⛱市民会議

 11月6日(土)にグローバル⛱市民会議を開催しました。

この企画は、那覇市の「新型コロナウィルス感染症対応市民活動チャレンジ事業」の助成を受けている多文化ネットワークfuふ!沖縄さんが主体となって開催し、若狭公民館も協力させていただきました。

まず、グローバル市民とは、多様なバックグランドを持つ沖縄在住の外国人と日本人のことです。そこで今回参加してくださったゲストはこちら↓

  

・オジャラックスマン(ネパール出身/在住10年/那覇市在勤 ONFA沖縄ネパール友好協会幹事長)
・ラフル サハ(ネパール出身/在住2年半/那覇市在住在学 ネパール献血者協会代表)
・オズワルド カストロ ロメロ(メキシコ出身/在住4年/那覇市在住在勤 EIC沖縄代表)
・根路銘 マリア ソレダ(アルゼンチン出身/在住4年/那覇市在住在勤 fuふ!メンバー)
・ヤン ヒキョン(韓国出身/在住6年/那覇市在住在勤 会社員)
・山内京子(天妃小学校区まちづくり協議会会長)
・真栄城孝(那覇市社会福祉協議会)
・前泊美紀(那覇市議会議員/総務常任委員会委員長)
・上里直司(那覇市議会議員/都市建設環境常任委員会委員長)
・大城幼子(那覇市議会議員/教育福祉常任委員会委員長)
・中村圭介(那覇市議会議員/厚生経済常任委員会委員長)


まず、はじめに多文化ネットワークfuふ!沖縄さんが昨年度沖縄県内在住外国人を対象に実施したアンケート調査を共有していただきました。

「今外国人の皆さんのためにどんなサポートが必要ですか?」という質問に対して、下記3つ意見が多かったようです。
①悩みや困りごとを相談・解決できる外国人対象の相談場所があること
②必要な情報が多言語で配信されるメーリングリスト・FBのコミュニティなど
③県内に住む外国人や沖縄に人とオンラインで話せるイベント

その中でまずはできることから♪ということで、月に1回、外国人も日本人もオンラインで気軽におしゃべりできるfuふ!パラソルチャットを開催しているそうです。


また、アンケートの中には、「沖縄の人へのメッセージや期待・提案・アイデアなど」の自由記述の中で、交流・共有、意見交換できる場所が必要という意見があり、今回のプログラムを開催するきっかけになりました。

そのあとに登壇者の多文化自己紹介です♪
名前と「朝ごはん何食べた?」と「自分の好きな那覇」を紹介していただきました。



国によって朝食べる物や習慣などが違っていたり、色んな那覇の好きなところが聞けて、はじめは緊張していた登壇者たちもなごやかな雰囲気に。

ちなみに、視聴画面上ではあまり見えなかったかもしれませんが、会場にも事前申し込みの参加者アンケートでいただいた「那覇のすきなところ」を掲示していました♪
今回は時間の都合上、紹介することができませんでしたが、「自然が多く人が優しい」、「多様な人・色んな人がいる」、「文明がコンパクトにまとまっている」などさまざまなコメントがありました。



さっそく、グローバルパラソル市民会議スタートです!
今回は、生活・教育・コミュニティの3つのテーマを中心に外国人の意見を聞いて、それをふまえてみんなで自由に意見を交わしました。

司会は、多文化ネットワークfuふ!沖縄の大仲さんが務めました♪



話した内容をテーマごとに簡単にまとめます↓

テーマ:生活                


🇳🇵オジャ さん



・外国人は、言葉・制度・文化の違いで様々なトラブルを招く。日本人にとって当たり前のことも外国人にとっては当たり前ではない。外国人はルールを守らない、マナーが悪い、ゴミの出し方が悪い、うるさい、など近所からのクレームがある。異国の習慣やルールについてお互いのことを知って欲しい。
・市役所からいろんなチラシなどが入るけど、読み書きができない外国人は理解できない。
大切なお知らせなどの案内や必要な情報は、最低でもやさしい日本語、可能であれば英語翻訳をつけて送ってほしい。一緒に生活していくなかで、受け取る人たちの配慮もしていただきたい。
・コロナで生活に困って収入が減った時、社会福祉協議会(以下、社協)からお金を貸付してもらっている人が多いけど、どのような基準で貸しているのか気になる。簡単に貸して返金されなかった場合、外国人への貸付ができなくなって今後本当に借りたい人が借りれなくなるかもしれないという不安がある。


🇰🇷ヤンさん



・2年前に交通事故にあったが、警察の力を借りることができなかった。過失ゼロを主張するためには自分で主張しなければならず、日本語の辞書を引きながら自分で判例などを調べた経験がある。自分と似た境遇にある人たち、私よりも日本語ができない外国人が交通事故を起こしたらどうなるんだろう?と不安になった。
交通事故だけでなく、労働など外国人向けの法律についてやさしい日本語や外国語で気軽に相談できる明るい窓口がほしい。あるとしても、知っている外国人はほぼいない。那覇市の外国人相談窓口も知らなかった。


社協:真栄城さん



・コロナ禍で収入が減って困っている人に向けた国の貸付制度がある。外国人も在留カードと住民票があれば貸付を行っている。令和2年度だけでも外国人から1950件ほどの相談がある。現在は、ネパールの方を雇って電話や書類などの対応をしている。
・食料支援も行っている。市民や企業さんから頂いた食材・食料を困っている方々に提供している。また、コロナで陽性になって外に出られない外国人に玄関口までご飯を届けたりもしている。

🇦🇷マリアさん
誓約書はどんな言語で?
10年後までに返さないといけないなど、誓約書の内容を外国人はどれほど理解しているのか。

社協:真栄城さん
誓約書は、英語でお渡ししていて、ホームページでも公開している。
社協は受付をして審査して、貸付をしている。該当しない方はパーソナルサポートセンターや食料支援などにつなげるなど、なんとか生活を維持できるように対応している。コロナの状況を見ながら国が判断して受け付けている。

那覇市議:前泊さん



那覇市の外国人相談窓口がわかりづらいとのことですが、そうだなぁと思います。でも知ってみれば入り口のすぐ近くにあるので、いかに皆さんに知っていただくかが課題だと思います。
外国人相談窓口には様々な案内やパンフレットが置かれていて、労働やお仕事のことで困った時の窓口や、国民年金保険料の減免制度のパンフレット(英語版)などもあります。
ただこのような案内を置いていても、知られていないから活用できていないというのは課題。那覇市のホームページも多言語対応しているので、どこまでフォローできているのかまずは見てチェックしていただきたい。

🇳🇵オジャさん 
那覇市のHPを多言語にしているが、ネパール語を見ると意味が違うものが多かった。
活用できるものがあってもそこで満足しないで、人に伝えるまでやってほしい。

🇰🇷ヤンさん
外国人は窓口があることを本当に知らない。外国人が沖縄に来た時に相談一覧などまとめたリストがあれば、市役所や空港などで配布してくれると助かります。

るみこさん(司会)
実は那覇市市民生活安全課の外国人相談窓口の多言語チラシを担当から預かっています。あまり誰も知られていない状況があるので、もっと知ってほしい!ということで、チラシを渡しながら人から人へつなげていきたい。



那覇市議:上里さん


上里さんからは「みなさんが利用する那覇市の施設や集まる場所はでどこですか?那覇市役所や空港以外で、どこにチラシなどを置くといいですか」という質問があり、それに対して、学校やコンビニ、スーパー、イベントなどがあげられました。また、自治会の掲示板にも掲示しているが、いつまで掲示したほうがいいのか、外国人が見ているのかわからないので、外国人が集まる場所に置いた方がいいと思うとの意見もありました。

また、那覇市議中村さんからは、「外国人に限らず、那覇市が何をやっているのかがなかなか伝わっていないが、「市民の友」という那覇市の広報誌は、カタログポケットというアプリで多言語に変換して購読することができる」と紹介していただきました。

テーマ:教育               



🇦🇷根路銘 ソレダさん(日系)



バイリンガルで子育てしているので、言葉の発達について気になっている。保健所で言語検査を受けて小児科でサポート訓練を紹介してもらったが、なかなか予約が取れなかったので、ずっと悩んでいる。言語について相談できる場所はあるが、障がいのある子どものみで外国人の言語のサポートについて相談できる場所が少ない。学校の言語サポートは、大きい学校だけなので、外国人の言語サポートについては予算をつけないと難しいけど、那覇市内で言語サポートをしている学校の情報をまとめて紹介してほしい。日本人は、学校で過ごす時間が長く生活比重が大きいため学校選択がすごく大切になるので、情報がまとまっていたらとても助かる。


那覇市議:中村さん


何で困っているのかという情報があまり伝わっていないので、事前にどのような情報がまとまっていて欲しいのかをしっかりコミュニケーションとりながら、困ったことが起きる前に確認できる仕組みがあったらいい。外国の方が何に困っているのかを知りたいので、コミュニケーションを積極的にとっていきたい。


テーマ:コミュニティ           

🇳🇵ラフルさん


コロナ禍で世界中で血が足りない状況がある(献血する人が少ない)。そこで、日本に住んでいるネパール人を集めて「Nepalese Blood Donors Association,Japan ネパール献血者協会、日本」という団体を立ち上げた。世界中に困っている人が多い中で、僕たちにできることはなんだろうとかんがえた時に思いついたのが献血だった。SNSで献血の様子をアップしたら、多くの友人から反応があったので、友人を引き連れて再度献血に行ったことからこの活動が始まった。初めは、外国人はできませんと断られたが、何回か行って献血してもらうことで、献血前の手続きなどを簡易化できた。今では、月に1度仲間を集めて献血を行っている。

Nepalese Blood Donors Association,JapanのFBページはこちら


🇲🇽オズワルドさん


毎週月曜日に日本語サークル「どぅしぐゎー」に通っている。そのコミュニティに入って、一緒にコミュニケーションを取りながら、困りごとなどを共有したり、役所の手続きなどをお互いに助け合っている。そのコミュニティは本当に大切です。「EIC 沖縄(education for inclusive community  )」という団体を立ち上げ、市民参加のプラットフォームをつくることを目指してストーリーテリングの参加型の実践を行っています。自分のストーリーを話して、そのストーリからアイデアを得ていろんなプログラムを作ったりします。EIC沖縄のFBページはこちら


那覇市議:大城さん


献血のお話し本当に感動しました。那覇市内に住んでいる4700名の外国人の方々を置き去りにしないような那覇市を目指して、那覇市議会も頑張っていきます。今後もこのような場があればいいなと思いました。


天妃まち協:山内さん


地域として外国人とどのように関わっていいのか、いままでは言葉が通じないからと遠目で見ていたのが、今日みなさんとお話しができて距離が縮まりました。地域としてもどんなことができるのか、これからやさしいまちづくりをしていきたいので、地域の行事があったら子ども達とも交流にもなるので、そういう行事をどんどん企画していきたいです。


                        

最後は取り組みの紹介のみとなりましたが、1時間半という短い時間でしたがたくさんの意見交換をすることができました。

今回、外国人が伝えたいことがあるけどどこに相談したらいいのか、一方で行政や自治会などはどこで外国人の情報を得ればいいのか、どのように情報を発信したらいいのかが分からない。得たい情報がお互いにあるけれど、それぞれがどういしたらいいのかを模索している状況が見えてきました。

普段、意見を交わす機会のないメンバーが顔を合わせてざっくばらんに意見を言い合うことで、お互いに求めていることが見え、改めて直接話す場の必要性を感じました。

1度きりではなく定期的にこのような場を開催してほしいとの声も多くあり、今後も多文化共生のまちづくりを目指して、積極的にコミュニケーションをとっていけるように取り組んでいきたいと思います。


最後に参加者からの感想を簡単に紹介します。

     ↓  ↓  ↓     参加者の感想 ↓  ↓                      

・在留外国人の皆さんが取り組まれていること、課題と感じていることを知ることができてよかったです。

・市議会議員、社会福祉協議会、またいろんな団体の方々もいらして会議なさっていたことは有意義でした。また、各国の皆様の話もとても興味深かったです。

・問題(事故等)が発生したときに外国語で相談/対処できる窓口がない/分からないという話が印象に残っています。空港や観光案内所等で早期に対応できるようにすべきか🤔

・子どもの教育やその他、外国の方々の相談窓口がわかりづらいという声が、なるほど、と思いました

・那覇市としては沢山の取り組みをされていることは、知っていましたが、外国人の方はその情報を得ることが難しいことがあまり理解できていなかったので、今後はどう知らせるかについて考えていくべきなのかなと思いました。また、海外の方が家族で日本に移住した際には、両親だけでなく、子供も日本語を学ぶ必要があり、特に子供は学校の宿題など、親に聞くことができない問題もあるためそれをしっかり学ぶためには地域や、周りの方々の助けが必要になってくることも具体的な例を挙げていただいたため、理解しました。このような機会を通して学ぶことができてよかったです。

・大変意義深い取り組みで、少数派の意見を「声を出して言える場所」をつくる・維持する重要性に改めて気が付きました。

・各地で、できる形で活躍していることに感動しました。これからも、頑張ってください。

                 

今回、ご参加いただいた皆さま、ご視聴された皆さま、ボランティアスタッフとして関わってくれたグローバル市民の皆さま、ありがとうございました!




(conomi)