2021年5月10日月曜日

なは防災キャンプ’21春@那覇市若狭公民館

ゴールデンウィークの5月1日-2日に那覇市若狭公民館にてなは防災キャンプ'21春が行われました。



今回は日頃から防災キャンプに関わっているDMPO(一般社団法人災害プラットフォームおきなわ)との共催で行いました。

関係者のみで実際に若狭公民館でキャンプを行い、コロナ禍における避難所ゾーニングのトライアルを行い、そこで一夜を過ごしてみて気づいたことや改善箇所などを話合い、オンラインで配信をしました。

避難所ゾーニングの映像をまとめた動画はこちら↓



避難者のモデルは、衛生面視点で感染防止のアドバイスのために来てくれた管理栄養士の安仁屋さんに急遽出演していただきました。


避難所配置職員として出演してくれたのは、DMPO(一般社団法人災害プラットフォームおきなわ)の有村さん。

撮影の様子です。

パーテーションの上からも撮影


すぐに撮影編集をして動画配信に間に合わせます。
安仁屋さんも緊急出演

管理栄養士の観点から、
・食前食後の触ったところの消毒の徹底をしてほしい。
・トイレや避難所・実習室を土足で出入りできることが感染症や食中毒が蔓延してしてしまう環境になっている
と指摘がありました。
受付に関しては、発熱者とそうでない方が一緒に並ばないといけない状態から、あらかじめ体調不良者は別途窓口を設けるなど、一度に複数の避難者が来た際の対応などを考えないといけないとおっしゃっていました。


次に「人も犬も猫も幸せ!な街つくり隊Okinawa」の畑瀬さんからもペット避難の受け入れ場所がなくて、避難所へ行かない現実があるということ。
狂犬病のワクチン摂取を受けていないペットなどの対応はどうするのか。
ペットに理解のある避難所があるのが理想的だと伝えてくれました。
ペット避難の際はペット用品の備蓄はありませんので、各自でご準備して避難してくださいとお話しがありました。

※那覇市の小災害時避難所(台風等の避難所)でペット同行避難ができるのは、市役所本庁舎のみです。
動物アレルギーの方等との接触を避けるために、地下駐車場がその避難所となります。


今回はペット避難を想定しているので、コロナ禍のペット避難での検証も行いました。


夜間の振り返りではたくさんの意見が出されました。

課題
・若狭公民館は小規模災害(火事等で家屋を失った方の一時避難や台風時の避難など)では避難所開設されるが、大規模災害では開設されない。その目安が市民に共有されていないので、イザという際に混乱が起こる可能性がある。
・若狭地域の高齢者や難病者の把握(配置職員との共有が)ができていないので、避難が必要な方の手助けや支援を確認することができない。
・受付とトイレの位置が近いので、受付待ちの方とトイレ利用者の導線が重なってしまう。
・受付避難カードの外国語対応がないため、日本語がわからない旅行者や留学生への対応ができるか不安。
・窃盗・盗難の危険性にどう対応していくか。
・避難所が停電や断水した時に他の避難所への輸送をする判断基準や輸送方法のマニュアル作りが急務。
・学校が避難所だと思っている人が多い中で誰がどうやって、わからない人に周知するか。
・冠水や倒木などの情報をいち早く発信して、避難所に行くまでのルートに支障がないかを伝えることが必要になってくる。その際に古い情報や誤った情報をどう事実確認していくかが課題。
・防災(地滑りや液状化の危険箇所の情報公開)と発災(倒木や浸水)の情報を区別して発信していく必要がある。
・検温のタイミングが宿泊になると曖昧になるので、時間を決めて検温が必要になってくる。

改善案
・受付を簡素化する流れや導線作りをうまくつくっていきたい。
・受付を済ませた人にはリストバンドで色分けをして一眼でわかるようにする。(配置職員も交代するため避難者の把握が難しくなる)
・ITやデジタルを活用してスマホやマイナンバーカードを使って、受付や人の出入りを決済できないか。
・災害レベルや種類によって避難所対応マニュアル作りが必要になってくる。
・那覇市から派遣された運営職員だけでは避難所運営は困難になってくるだろう。日頃から行政・民間・企業との連携や情報の伝達できる体制づくりが必要。
・スーパーやコンビニとの災害協定などを結び、共に防災の取り組みを考える。
・行政職員の立ち位置を伝える(ボランティアではないが、プロフェッショナルではない)ということをわかってもらう必要がある。

まとめ
・ゾーニング(受付のやり方・コロナ対策)配置市職員だけでの衛生管理などの徹底は不可能
・ルール作り(様々なパターンを考慮して・受付のやり方。誰がどこの部屋に案内するか)地域の住民や事業者も関与できるもの
・情報の伝達(引継ぎがうまくいかない・日頃からの情報の周知)スーパー・コンビニの活用。情報発信としてコミュニティFMを活用する

話し合いは日付を超えても続きました。


2日は恒例のラジオ体操から始まり急いでオンライン配信の準備です。
那覇青年会議所から前泊さんにお越しいただいて、7月にセルラースタジアムにて開催予定の「那覇市制100周年記念事業 那覇市防災FESTA」の参加者との交流会も含めて配信しました。


講話では地域の事業所による、地域防災へのかかわりが語られ、企業や地域住民がバケツリレーを行い水資源を確保した事例やイオンモールや大学が避難所として災害時に受け入れを積極的に行い支援物資や薬剤師が薬を提供した過去の出来事を紹介してくれました。
沖縄の企業にも積極的に災害時に動くことが求められ、日頃から行政・企業・市民が協力していく必要があるとおっしゃっていました。

後半では7月22日(海の日)に開催予定の「那覇市市制100周年記念事業 那覇市防災FESTA」の紹介を那覇青年会議所の前泊さんから紹介してもらい、若狭公民館も「リッカ!ヤールーキャラバン」を行いイベントに関わる予定です。
こちらの詳細決まりましたらお知らせします。

オンライン配信をロビーでも見学できるようにしていました。


今後まとめた報告動画やアンケートを那覇市防災危機管理課と協議して避難所運営のあり方やマニュアル作りを行なって行きます。

主催:(一社)災害プラットフォームおきなわ/那覇市若狭公民館
後援:那覇市防災危機管理課
協力団体:Happyぼうさいプロジェクト/人も犬も猫も幸せ!な街つくり隊Okinawa
               包括支援センター若狭/たいようのえくぼ/キャンプ沖縄事業協同組合
助成:沖縄しまたて協会