2022年11月22日火曜日

わかさ防災教室 第5回防災寺子屋 「防災とまちづくり」

 11月16日(水)に「わかさ防災教室 防災とまちづくり」が開催されました。

わかさ防災教室のこれまでの取り組みは(こちら

4回の公開イベントと5回の座学で地域における防災人材を育成することを目的とした事業で今回が4回目の座学となります。

第5回目の寺子屋は石嶺小学校区まちづくり協議会子ども育成部会長であり、NPO法人まちなか研究所わくわく事務局長の宮道喜一さんを講師に「防災とまちづくり」を開催しました。


宮道喜一さん

今回はわかさ防災教室の最後のプログラムということで、今までのふりかえりも兼ねてグループでの自己紹介から開始されました。
教室に参加したキッカケや動機をお互いに共有することで初めに参加者が感じた問題意識や課題、やりたいことを思い出しました。

自己紹介も兼ねながら、参加したキッカケをグループで共有

今日のスケジュールをまとめてくれてます

その後に宮道さんの講話「防災とまちづくり」です。
宮道さんはまず、「防災」と「まちづくり」をそれぞれ理解していこうという話から始まりました。


「まちづくり」について
那覇市では「協働によるまちづくり」という言葉は1998年の第3次那覇市総合計画の中で使われ始めました。その中で行政だけでなく、地域・住民・市民・事業所など自分たちだけでできない「まちづくり」を一緒に地域づくり・まちづくりをしていこうと打ち出しています。

・協働によるまちづくりの「プロセス」(那覇市の協働の手引きから
地域課題⇄話し合い⇄活動・事業⇄評価・振り返り

まず最初は一人ひとりの課題への対応から始まります。
その課題を共有したり、周りに理解されることにより、みんなの課題となります。
課題が地域や社会の共感を得ると、課題に対応する体制が造られたり、課題に取り組む手段として活動や事業が行われます。
最後に評価とふりかえりを行うことにより、課題解決にむけた新しいとりくみが生まれたり、違うが見つかるなど、「協働によるまちづくり」がすすんでいきます。

協働によるまちづくりの「プロセス」の図


課題解決のプロセスを描く
課題を明確化にするために現状を理解する必要があります。そして、当事者や関係者などと話し合いその課題解決に向けた将来像を一緒に考えてみる。
現状と将来像を照らし合わせて、生まれてきた差が課題となります。
ただ、課題設定を行う際の注意点として、課題を間違えてしまうことがあることがあることがあります。
課題を間違えると解決方法も間違っていくので注意が必要だと話がありました。


「防災」について
防災について考える前に災害について定義を一度考えてみましょう。
地震や台風そのものは災害にはなりません。地震や台風などの発生自体は原因になります。人間社会に被害を生じることで初めて「災害」となります。
人間社会(地域)を知り対策を行うことで、原因が起きても災害を最小限にすることができます。
その対策こそが「防災」ということになります。



「災害」を「日焼け」に例えると、
災害=日焼け
ハザード=紫外線
暴露=どれほど肌がさらされているか
脆弱性=肌が日焼けに対応できるかどうか

日焼けを防ぐために肌を守るために長袖やキャップをかぶったり、日焼け止めを塗ることにより、日焼けの程度を少なくすることができます。
災害も様々な対策を行うことにより、災害被害の程度を少なくすることができます。

そのためにはどのような対策を行うことがあるのか。

防災活動の例
・計画・マニュアルづくり
・防災知識の普及
・防災訓練
・防災用品・備蓄品の管理
・要配慮者・避難行動要支援者への支援
・災害時相互協力協定
・地域防災リーダーの育成
・避難所設置/運営訓練
・地域指定避難所
・住民同士、地域との結びつき
・様々な団体との連携・ネットワークづくり
・災害時の食


講話を聞いたあとに、それぞれのグループで地域を選び、その地域の特性を考え、防災イベント案を考えるワークショップを行いました。

グループ1の発表


グループ1
対象地域:那覇市久茂地
課題:久茂地と聞くと大きそうだが、実際自治会の人数はとても少ない。観光客や働く方が来る地域なので、実際にお祭りや事業をしようとすると10名ほどで運営していかないといけない。単独高齢者世帯も多く、男性の参加がとても少ない。
提案:久茂地地域の公園を使った知り合い作りのための集まりを設けるため、囲碁将棋クラブを開催したり、飲み会のような顔を見える関係性づくりを開催


グループ2の発表

グループ2
対象地域:南城市佐敷
課題:那覇や他の新興地域のベッドタウン的な位置にあり、昼間は人が少ない。高齢者人口が多い。
提案:那覇や他の地域を真っ暗にすることは難しいだろうから、暗闇の中を避難するような避難訓練を夜佐敷でできるのではないか。



最後に講師の宮道さんより「私たちが暮らしている地域をより良い地域にしていくこと、変えていくこと、そのために私たちは無力ではなく、行動していくことにより、地域を変えていける、良い方向へ向かっていける。そこへの一歩を踏み出す、継続していく、地域づくりが防災とも繋がる一歩になります。」


それからわかさ防災教室に入っての振り返り、そして、今後の目標をそれぞれ書いて共有していきました。


それぞれの立場での目標が聞こえ、
・防災キャンプを開催したい
・地域防災のイベントを考えたい
・参加してできたネットワークを活用して防災ネットワークを作っていく

などなどがあげられました。


全プログラム皆出席でした参加者には若狭公民館30周年記念カレンダーをプレゼントしました。(カレンダーの詳細についてはこちら

参加者の皆さんで記念撮影

約三ヶ月にわたる防災教室ですが、無事に全日程を終えて終了することができました。

参加された皆様お疲れ様でした。


動画はこちらから




次回は防災キャンプ冬でお会いしましょうー。


主催:NPO法人地域サポートわかさ / 那覇市若狭公民館

共催:一般社団法人災害プラットフォームおきなわ

助成:おきぎんふるさと振興基金