ロワジールホテルのちょうど裏に、三重城(みーぐすく)と呼ばれる場所があります。16世紀に沖縄を荒し回っていた倭冦と呼ばれる海賊の見張り所として作られたと言いますから、歴史的にはかなり古いものになります。当時は砲台が設置されていました。
現在はこんもりとした丘のようになっていますが、もともとは海の中をうねるようにして作られた海中道路であったといいます。現在は周囲が埋め立てられて、当時の面影はまったくありません。
当時この場所は新城(みーぐすく)と呼ばれていたのが、近代になって三重城と表記されるようになったようです。
この三重城には現代もウタキがあります。コンクリートが潮でやられてしまっていますが、現在でも礼拝する人が後をたたない、立派な拝所です。
また海に向かうフェンス沿いには、溶けたヒラウコー(沖縄の束になった線香)がどろどろになっていましたが、ここも拝所になっているようです。一説ですが、ここの拝所は宮古島の方向へ向いており、宮古島出身者の方々が故郷の無事を祈る場所として現在も崇拝の対象になっているようです。宮古島の方々は信仰があつくて、線香もお供え物も山ほどするのが習わしのようになっています。この溶けたドロドロは、彼らの信仰の深さを物語っているのかもしれません。(小)