11月22日(土)から24日(月)三日間にわたり全国パーラー公民館サミット・イン・那覇を開催しました!
報告②では、事例報告の様子について元パーラー館スタッフの佐藤がレポートします。
二日目となる23日(日)の午前は、全国から集まったパーラー公民館の実践者たちによる事例発表。
同じ「パーラー公民館」といっても、地域によって名前が違えば役割も違います。
パーラー公民館は「何もしない」からこそ、場所や、集まった人や、そこに居る人によって、どんな場所にもなれるし、変化もしていく、その多様性をたっぷり感じることができました。
最初に簡単に元祖・パーラー公民館が生まれた経緯やどういった取り組みなのか宮城館長から紹介した後(元スタッフ佐藤からも一言)、さっそく全国で行われている取り組みについて伺いました。
最初の発表は、あおぞら協働センター(浜松市)
野嶋さんは、パーラー公民館に見学に来られた2019年に、戻ってすぐ開催されたたとおっしゃっていました。行動が早すぎる!
野嶋さんがパーラー公民館に来られた日は、海外から視察が来ていたり盛りだくさんの日だったようです。当時、野嶋さんが書いてくれた若狭公民館の過去ブログも見つけたので、こちらもご一読ください。
あおぞら協働センターは、81回開催され、来場者総数は延べ3,538人名だと言うから驚きです!
来館されるのは、主に親子連れで、子どもたちの体験と交流の場になっているんだな〜という印象でした。ご飯を食べることに困っているとか、見守りが必要とか、そういった人は暮らしていないエリアだそうです。さまざまな背景を持つ人が暮らすあけぼのとは、状況が違うけれども、公園にパラソルを立てるという場づくりで地域を盛り上げる活動になっていました。
野嶋さんが部署が変わってしまったことにより、あおぞら協働センターは、現在は活動されていないそうです。残念ですが、パラソルとテーブルを出したらとりあえず場は開けます。
やってみようという方が現れてくれたら嬉しいですね。
次の発表は、ドコミンカン(熊本市)
発表してくれた小原さんは、前日に若狭公民館がやっているコミュニティーFM番組に出演していただいたので、私は少しお話を伺っていました。
パラソルなどは貸し出しできるようにしているそうで、熊本市内のいろんな場所で活用されているとのことで嬉しいです。でも、みんな全く違う名前で活動しているんですって!
ドコミンカンという一度聞いたら忘れないネーミングはSNSで募集したそうですが、熊本弁のどこでん(意味は、どこでも)から生まれたそうです。
どこでもと言われたら、場は開きやすそうですが、なんで名前変えるのでしょうか?熊本県民の特徴かも、とおっしゃっていましたが、ほんとにユニーク!
かまどベンチを活用していて、火おこし体験もできるそうです。
防災士でもある小原さんならではのアイデアたっぷり、いくつもの広がりを見せていて、今後も楽しみです。
次の発表は、わいわい広場(益田市)
わいわい広場のある島根県益田市は過疎地。市役所の前に大勢の人が集まることは珍しいそうです。
岩坂さんが、若狭公民館におとづれた際、公民館ロビーに設置されたパーラー公民館の写真を撮ったり、サイズをはかったりして、島根に帰ってすぐに知人に見せたところ、そっくりなものが出来上がったそうです!
活動していくうちに、やっぱり黒板にしようと、テーブルに黒板塗料を塗って、現在はパラソルと黒板テーブルで活動されています。
対話を大切に耳を傾けていると、来館した子どもから「おにぎり屋さんをやりたい!」と言われ、具を持ち込んでもらっておにぎりを自分で握ってもらったり、具を持ち寄る豚汁などの美味しそうな活動が生まれているとか。パーラー公民館的取り組みの中では、新しいものが生まれやすいんだと改めて思いました。市役所前なのに火を起こしているというのは、なかなかイメージができないので、ぜひ、直接行ってみたいな〜と思いました。
次の発表は、アウトドア公民館(島根県飯南町)
わいわい広場と同じく島根県です。こちらも過疎地ですが、豊かな自然を存分に生かした取り組みや、子どもが元気でのびのびしている様子が印象的でした!
活弁士でもある景山さんのおしゃべりが楽しくて、参加する子どもたちもさぞ、楽しかろうとイメージしながらお話をうかがいました。
行きづらい場所にある公民館から飛び出しての活動は、まさに「おでかけパーラー公民館」。見よう見マネで作ったというオリジナルパーラー公民館の仕様も持ち運びしやすそうで、作りやすそう。マネしやすい素敵なアイデアです✨
「何もしない」をすると、アンテナが沢山たってくるので、誰かの「うっかり」をしっかりキャッチできる気がします。景山さんの「うっかり大作戦」は、多くのうっかり発信することで誰かがキャッチできる仕組みになっているんじゃないかと思いました。
皆さんの活動、それぞれ特徴的で個性が溢れていて、面白いです!
最後は、ぱーらーうがんもー(南風原町)
嬉しいことに、沖縄でも開催されているんです。
ぱーらーうがんもーからは、根川さんと、儀間のお二人で発表していただきました。
ソーシャルワーカーと地域コーディネーターのお二人で行っている取り組みです。
もともと公園に集っていたやんちゃな子と繋がるためにパーラー公民館をやろうと思った根川さんと、公園がゴミだらけだからゴミ拾いをしながら場づくりを始めた儀間さんです。
ゴミ拾いといえば、あけぼの公園も最初はゴミだらけで毎回3袋くらいゴミを拾っていました。人が集まっていると公園はほんとに綺麗になってくるから不思議です。
さまざまな人が集う中、支える側と支えられる側の境界線が曖昧になってきて、ただ居心地の良い場になれるのは、誰にとても最高なかたちです。地域の安心、安全につながり、ゆんたくしながら必要な場所につなげている。なんて公民館的な活動なのでしょうか!
何もしないで座っているだけで、いろんな人とつながれるので、ソーシャルワーカーのみなさんにお勧めしたいという根川さんのお言葉が沁みました。公民館活動以外にも、ソーシャルワーカー、地域コーディネーターなど、さまざまな活動をひろげるきっかけになるのだと思いました。
どの取り組みも、パーラー公民館らしくありながら、その土地や人に沿ったカタチになっていました。
誰でも真似しやすいパーラー公民館の仕組みって、すごいな〜と改めて感じました。
各地域の特性や、そこに集まる人々、スタッフの性格など、そこにしかないパーラー公民館の多様な実践を報告していただきました。全国にひろがるパーラー公民館の様子を知ることができ、とても嬉しい時間でした。
事例発表終了後は、あけぼの子ども食堂のお弁当が待っていました。(sato)
報告③につづく