2013年12月13日金曜日

サンタクロースへの手紙



 「さんたさんへ スーパーピーキードーグがほしいです。このなかにいれてください」。
娘が小学1年生の時にサンタクロースに宛てて書いた手紙です。お父さんサンタは「スーパーピーキードーグ」なるものが何なのか分かりません。娘に「サンタさんに何お願いしたの?おもちゃ?それとも食べ物?」と聞きました。でも娘は「サンタさんにお願いしたから教えない」の一点ばりで、ほとほと困ってしまいました。 

おそらく「おもちゃ」だろうと推測し、玩具屋さんを何件か歩きました。しかし、どこに行っても「そんな玩具ありません」。南部にある大型玩具店で、店員曰く「もしかしたら、スーパーピッキートークではありませんか?」。その頃の私には、全く、興味も知識もない代物でした。ファミコンです。金額は忘れましたが、結構高かったです。娘が「これに入れてください」と書いてあった靴下に入らないくらい大きな箱でした。

クリスマスの朝、目を覚ました娘は大喜びです。ホントに「サンタ苦労ス・・・とはよく言ったものだな~」と思いました。お父さんサンタは「頑張って探した甲斐があった・・・」と、達成感に浸っておりました。

しかし、しかしです。何と娘は、開けただけで中身にはほとんど関心を示さず、翌日も翌々日も、解説書片手に一生懸命に使い方を教えるのですが、彼の「スーパーピーキードーグ」で遊ぶことはありませんでした。だから今でも、あの時、サンタ苦労スさんが必死の思いで探し回ったファミコンは新品のまま、娘の部屋の何処かで眠っているはずです。

「サンタさんへ さんたさん げんきですか。わたしはげんきです。さんたさん わたしのおねがいは おかしとバトエンをください。みかより」。これは2年生の時です。サンタさんにご機嫌伺いのご挨拶ができるようになりました。

「サンタさんへ プレゼントをくれてありがとう。みんなにプレゼントをくばるの、がんばってね。(みかより)」。これは3年生です。サンタさんに感謝し、サンタさんの苦労を労う娘の気持ちを嬉しく思い、娘の心の成長を感じた時です。

「サンタさんへ コアラのマーチ2つ 2Bのえんぴつ4本 のり2本(小さいの40cm~20cmのとてもちいさいツリー(あるいはおもちゃの5cm) やすいのでいい これだけです。ツリーはかえなかったらいいです」。これは4年生です。内容からして、もうサンタさんの存在を信じてないようです。明らかに、親に面倒と負担をかけまいと気を使っています。   

小学1年から4年まで、娘からサンタクロースに宛てた手紙です。今でも大切に取ってあります。拙い文章ですが、娘の心の成長の軌跡が見えてきます。毎年この季節になると、机の奥に閉まってある「娘からサンタクロースに宛てた手紙」を取りだして目を通しています。

クリスマスですね…。今宵、世界中のサンタさんをねぎらい、世界中の子どもたちに幸多かれと祈ります。

                              三田 黒宇須