2016年6月27日月曜日

親子ふれあい講座 対馬丸記念館平和学習レポート

慰霊の日直前の土曜日、対馬丸記念館で平和学習を行いました。
家庭で平和について考える機会にできたらと思い、親子参加の講座にしました。


こどもたちは学校の行事などで行く機会がある子もいるようですが、大人はなかなか行くタイミングをつかめず、行ったことがない方も多い対馬丸記念館。保護者の中にも、はじめていらしたという方も数名いらっしゃいました。


最初の挨拶で記念館の理事の外間邦子さんから、「親子での講座は、対馬丸記念館では初めてです。今日は記念すべき日となりました。対馬丸に乗って命を落としたこどもたちも、お母さんやお父さんとどこかへ行ったり、一緒に何か体験したりしたかったと思います。だから、このような企画はそのこどもたちがしたくてもできなったことを実現してくれていて、大変嬉しく思います。」とお話されていました。
当日まで親子講座が初めてと知らなかったので驚き、またこれからも続けていきたいなと切に感じました。


講座の最初は、体験者の照屋 恒さんからお話を伺いました。
照屋さんは当時4歳だったため、体験の記憶は断片的とのことで、対馬丸の事故の背景などを短い記録映画とともに、丁寧に伝えて下さりました。
しかし、短いエピソードでもお母様と海で別れた時の話は、参加者の皆さんの心に残った様子でした。



お話を聞いたあと、記念館のスタッフの方に館内を案内して頂きました。
対馬丸出航から対馬丸撃沈までの解説のパネルや、遺影、遺品、疎開の展示など、ある中で、こどもたちは遺品のランドセルに興味を示す子が多かった様子でした。


最後に講堂にもどり、参加者からの質問タイムをつくりました。
小学生の低学年の男の子が、いかだはいくつ積んであったのですか?と聞いていました。きっと、いかだの重要性がわかったから出た質問だろうな、と思って伝わっていたことに嬉しくなりました。


最後に、照屋さんからこのようなお話を頂きました。
「平和のためにみなさんにできることは、家族を大切にすることです。家族と仲良くできる人は、隣近所の人とも仲良くできる。周りの人と仲良くできる人が多くなれば、平和な世界を作ることができます。」
照屋さんの生の声で聞いたこの言葉は、参加者のみなさんの心にも響いていただろうなと思います。(真)