ロワジールホテル横の駐車場裏にあるのが、通称、三重城(みーぐすく)と呼ばれる史跡です。もともと倭冦(わこう)と呼ばれる海賊に対抗するために作られたと言われる海の城塞で、反対側には屋良座森と呼ばれる城塞もありましたが、現在は失われてしまっています。
城(ぐすく)というと、強固な城塞の本土の城を思い起こしますが、沖縄の城(ぐすく)という意味は、ウタキと呼ばれる神様の拝所のある場所を指したりする場合もあります。三重城の場合は、もしかしたら両方の意味を兼ね備えているのかもしれません。
建設当時は海にのびる海中道路のような形になっていましたが、現在ではそれも失われて、ウタキだけがかろうじて残っています。ウタキとは沖縄に存在する神様に拝みをするための場所で、民間信仰のかなめになっている場所です。
(ちなみにその海中道路は一部がNHK大河ドラマ「琉球の風」のために再現されて、読谷の「むら咲きむら」に今も残されて観光名所になっています)その名残なのでしょうか、下には「水神」を祀った場所などもあり、当時の面影を偲ばせます。
その昔は琉球舞踊「はなふう」の舞台にもなったり、最近では池上永一さんの小説「テンペスト」でも取り上げられたりと、由緒ある場所として市民から親しまれています。
今月号のホームページの表紙は、その三重城からおおくりしました。隠れているのは指導員の東澄子でした。