2017年5月17日水曜日

地域を知るこの一枚「ナナユヒービラ」      (広報わかさNo.90)


広報わかさで連載している「地域を知るこの一枚。
90号では「ナナユヒービラ」を紹介しました。

ブログでは、広報誌で紹介しきれなかったことも少し加えながら紹介したいと思います。


「ナナユヒービラ」なんのことだか分かりますか?
  うちなーぐちで「ビラ(ヒラ)」は坂道のこと。
「ナナユヒー」とは昔、近くにあった集落の名前だそうです。

「ナナユヒービラ」とは、 戦前の呼び名。
天久から安謝にかけての坂道のことで、現在の国道58号線がその位置にあたるそうです。
安謝川に向かって下りになっている地形ですが、現在は高架橋がかかっていて普段通っていても坂道になっているとは感じにくいです。

写真左側の坂道だと雰囲気がわかりますね〜。

かつては急勾配の坂道で、那覇と中北部を結ぶ主要道路の一部であったそうです。

坂道近くのナナユヒー集落には『落花生畑が多くあった。首里や那覇からの移住者が多かったせいか勤め人も多かったようである。』〈安謝誌〉そうです。
また、その北側には糸満屋(糸満人集落)もあり、ビーグや田芋、スイカ、ナスなどが栽培され、『豆腐製造用の塩水、サトウキビ畑の肥料とする砂や海藻類の採集地であった』〈安謝誌〉そうです。

戦後は軍道1号線、本土復帰後は国道58号線となりました。
中北部からは那覇へ向かう主要な道で、『製糖期には、砂糖樽(サーターダル)を積んだ馬車が、那覇の港に向かって列をなしていたという。』〈那覇市歴史博物館〉

現在も、国道58号線は沖縄の大動脈。
呼び名は変われど、今も昔も沖縄の人々の生活を支え続けてきた道ですね。


案内も設置されていますので、通る機会のある方はぜひご覧になってみてください。