2012年3月15日木曜日

「平等と自立を手に入れるために」報告

 3月10日に地域学習支援事業として、シンポジウム「平等と自立を手に入れるために 〜シングルマザー 母と子・女性の人権を知る〜」を実施しました。

主催は、若狭公民館で定期的に活動しているしんぐるまざあず・ふぉーらむ沖縄のメンバーを中心に構成されるシングルマザーの生き方を支援する実行委員会。
会場は若狭公民館ではなく、沖縄県男女共同参画センターてぃるるでした。

若狭公民館は、共催として企画運営を協力したほか、講師派遣を行いました。

パネリストは4名。
フランス国立東洋言語文化研究所日本研究センター博士課程の猿ヶ澤かなえさんは、「日本の貧困とシングルマザー」と題し、国際比較によって日本の貧困についてお話しいただきました。

国際比較のデータを基に説明する猿ヶ澤さん(手前)

沖縄NGOセンター代表理事の新垣誠さんは、ネパールにおける女性の現状を紹介。
人権意識の低さが女性を苦しめている状況を説明し、DV被害の多い沖縄にも根底には同様の価値観があるのではないかと指摘されました。

ネパールの現状をお話しする新垣さん(左から2人目)

元沖縄タイムス記者で、フリーライターの山城紀子さんは、取材を通してみえてきたシングルマザーを取り巻く状況について紹介。
生活基盤を築けないことによる子どもへの影響や社会的価値観、保証制度の問題について話されました。

沖縄のシングルマザーについてお話しする山城さん

実行委員の一人であり、しんぐるまざあず・ふぉーらむ沖縄代表の秋吉さんからは、非婚シングルマザーの抱える問題として、寡婦控除が適応されない現状を説明されました。

非婚シングルマザーの抱える問題について説明する秋吉さん(右)

シンポジウムには30名あまりが参加。
予想していたより男性の姿も多く、様々な立場の方がいらっしゃるように感じました。

熱心に話を聞く参加者

シングルマザーを取り巻く現状やそこからみえてくる問題は、当事者だけのものではなく、福祉政策や社会保障、人権意識などとも関わってくることをあらためて感じました。

社会全体でこのような問題を共有し、ともに考える場をつくるのは公民館の果たすべき役割ではないかと思っています。
また今後も継続的に取り組んでいきたいです。

(宮城)