2017年6月21日水曜日

報告:「今を生きる者たちへ 戦世からのメッセージ」

講座のご報告です。

去った6月10日(土)、
「今を生きる者たちへ 戦世からのメッセージ」
と題して平和について考える講座を行いました。


第1部では、沖縄タイムス社が作成した「沖縄戦デジタルアーカイブ 戦世からぬ伝言」 を用いて、改めて沖縄戦を考えました。

デジタルアーカイブのデモムービーです。

 サイトは沖縄タイムスのホームページからもご覧になれます。
「沖縄戦デジタルアーカイブ 戦世からぬ伝言」

アーカイブを作成したプロジェクトチームからデジタル部主任の渡口さんをお招きし、その概要や活用方法をご紹介していていただきました。


避難した人たちの足取りや、証言などが当時の地図に落とし込まれており、現在と比較しながらみることができます。

「沖縄戦を後世に伝えるひとつの資料として活用してほしい」との思いも語っていらっしゃいました。



第2部では、戦争体験者の島袋文雄さんに
「沖縄戦と私 九死に一生を得る」と題してお話をしてただきました。
戦火の中を逃げ惑う中で家族を失い、自らも右腕に銃弾を受けたり、危うく生き埋めにされるすんでのところで助けだされたことなど、 本当につらい経験を語っていただきました。

島袋さんが、思い出したくもない戦争の話をするのは、「伝えなければならない」という強い思いからだとおっしゃっていました。
「いじめなどで自ら命を絶ってしまう子どもがいたり、親が子の命を奪ったり、子が親を殺めたり… 今の日本は戦争はしていないが、本当に平和だといえるのか?幸せだといえるのか?」 

『平和とは、幸せとは何なのか?』
島袋さんからの重い問いかけです…。


一人ひとりが、自分の頭でちゃんと考えていかないといけないことだと思います。

人が人を想い、互いに存在を認めあうこと。
家族や友人と共に過ごす時間があること。

何を幸せだと感じるのかは人それぞれだと思いますが、共通して言えるのは、
「自分一人では決して幸せにはなれない」=「誰かと共に生きるからこそ幸せが生まれる」
のかなと思ったりします。

人間関係の距離感はそれぞれですが、社会の中で生きているから、人が人らしくなる。
それを全て否定し、破壊してしまうのが戦争なのだと思ったりします。


世界中で、排他的な雰囲気や不安定な情勢が広がる中で、
今改めて”平和とは何か”、”幸せとは何か”を考え、
『今を生き、よりよい未来を創る』ために過去から学ぶことはとても大切なことだと感じます。

平和や幸せは、与えられるのを待つのではなく、能動的に求め、創っていくもの。


6月23日には慰霊の日を迎えます。
いつも以上に平和への祈りを。そして、今生きていることへの感謝を感じたいと思います。


講座の様子は沖縄タイムスの記事にも掲載されましたので、ぜひご覧ください。 

(沖縄タイムス 2017.6.19 [20面])