2021年10月27日水曜日

なは防災キャンプ'21 夏 in 新都心公園(2021.10.21)

 10月21日(木)14:00~16:00新都心公園にて「なは防災キャンプ'21in新都心公園」を開催しました。

まずは、「防災キャンプ」ってなに?という人もいると思います。

防災キャンプとは「防災訓練×キャンプ」をかけあわせて、宿泊しながら擬似避難所体験をしようという企画です。
防災キャンプには3つのルールを設けています。
①自己完結
②シーズン毎にやる
③できれば宿泊する
日帰りの訓練だと、終わったら帰宅してお風呂に入り、ご飯を食べますよね。では宿泊となるとどうでしょう?
防災キャンプでは、公園など避難所になるような場所で過ごすためにはいったい何が必要なのか、自分で考え、そして季節に合わせてどのように過ごすかをそれぞれ考えてほしいという狙いがあります。
そして宿泊体験を通して様々なことに気づき、今後に生かしていくことを1つの目的としています。  

今回は緊急事態宣言は解除されたものの、感染拡大防止の観点から、ディキャンプで宿泊は行わずに参加者も災害時に避難所開設する可能性がある機関や施設職員の方中心にご参加いただけました。


公園内にはどのような機能があるのか、公園が災害時にどのような役割を果たすことができるのか、ほとんどの方は知らないのではないでしょうか。

那覇新都心公園は大規模な延焼火災などが発生した場合に避難することができる「広域避難場所」となっておりますが、津波・洪水・土砂災害などの災害の危険が切迫している状況において、時間的に猶予がない緊急避難場所としての「指定緊急避難場所」にも指定されています。

公園には電線もなければ、大きな建物もないため、延焼火災などの影響もなく、備蓄や貯水もあるため、災害時における一時避難所としての役割ももっています。



災害時に公園で防災キャンプをしたら、こんな感じになるんだよーという様子をイメージしやすいように各種ブースを展示しました。

ひとつひとつ紹介していきます。

まずはこちらから!
■受付ブース■


防災キャンプの受付です。
こちらでは「もしもカード」にご記入いただきす。
「もしもカード」とは、個人情報のほか「家族の集合場所」「もしものときの連絡先」など決めていなければ書けないけれども、災害時には必要となる項目もあり、考えさせられる内容になっていました。
また、「わたしにできること」という項目があります。
「英語が話せます」「お話し聞きます」「保険の相談乗ります」など、自分ができることを記入します。
同じ内容を避難所内の「こんなことできます」掲示板に張り出すと、困りごとのある方が、解決できる方を見つけられるというとっても素敵なシステムになっています。

こちらが「もしもカード」です↓


みなさんは全て記入できそうですか?これを機にご家族で話し合ってみてはいかがですか?


「こんなことできます」コーナーの他に「こんな困りごとがあります」のコーナーがあった方が、情報共有がうまくいって次につながるのではないか?との意見もありました。

■テントブース■


災害時にテントは大きな役割を果たします。
テントにも様々な形や種類があり、それぞれのプライペートスペースや就寝スペースになるテントもあれば、急な雨などから物資を守ったり、時には共有スペースになるテントもあります。
今回は受付ブース・控室・休憩スペース(防災カフェ)として3種類のテントを組み立てました。


■ペット防災ブース■


こちらは「人も犬も猫も幸せなまち創り隊Okinawa」のブースです。
防災キャンプではもうお馴染みのブースですね。
「人も動物も”ともに生きる”まちを創る」をテーマに毎月第3土曜日に「わんわんごみひろい」など普段から新都心公園で活動している団体です。
ペットが災害時生き延びるためには、人(飼い主さん)が無事に災害を乗り越えなければいけません。代表の畑瀬さんは、その為にも人の防災も大切なこと、と先日防災士の資格を取ったそうです。また畑瀬さんの「わたしのできること」は「動物とお話しができる」とのこと。
犬や猫以外の動物ともお話しができるそうです。
気になる方はFacebookページをご欄くださいね。(こちら


■まいまい号■


こちらは「一般社団法人災害プラットフォームおきなわ」の共同代表理事の有村さん(通称あ〜り〜さん)の「まいまい号」です。
トラックの上に家が乗っています。今回会場までスタッフの私たちも「まいまい号」に乗せていただきましたが、道行く人たちから「なんだアレは!?」と熱い視線を浴びました!
これはあ〜り〜さんの狙いだそうです!
防災キャンプなどの活動を広めようと、いきなり話をしても、話を聞いてくれる人は少ないかもしれません。
しかし「まいまい号」は運転しているだけで、多くの人が声をかけてくれるそうです。信号待ちで「何をしているんですか?」と聞かれて困ってしまったこともあるそうですよ。
災害時は上に乗っている家は取り外し、トラックだけでの移動も可能。ガレキを運んだり、避難者を搬送できるようになっています。機能的にも素晴らしいですね!
そんなあ〜り〜さんの「わたしのできることは」「廃材で家つくれます」という頼もしいスキル。トラックに乗っている家も廃材で作成されたあ〜り〜さんの手作りというから驚きです!


■車中泊展示■


こちらはあ〜り〜さんと共に「一般社団法人災害プラットフォームおきなわ」共同代表理事をされている稲垣さんの車。車中泊ができるようにアレンジしています。
災害時には、車の中での避難をすることもあります。沖縄で大規模災害が起きた際には、車中泊を余儀なくされる方も多いそうです。そんな時、足を伸ばして眠れるようになることがとても大切なこととだそうです。普段乗っている車をアレンジするだけで、車の中でも快適に睡眠をとることができるという提案をしてくれました。


■救護班■


こちらは「那覇市地域包括支援センター」のブースです。泊、新都心、安謝、安里、城岳、の5箇所(本庁地区)からご参加いただきました。
地域包括支援センターは、高齢者の介護予防や介護保険・福祉に関する様々な相談に応じて、支援やサービスの紹介を行う総合窓口です。
災害時に、見知った職員がいるこういったブースがあると、心の拠り所になりそうです。


■エアクリーンテント&ベッド■


災害時に充電は必須です

こちらは初参加の「オキジム」さんの展示です。蓄電池で膨らました真っ白いテントは、一際目立っていました。
今回「オキジム」さんは、自分たちの商品が防災時に役に立つのではないか、とのことで展示してくださいました。災害の専門家から見て、どういった場面で活用できるのか提案してほしいとおっしゃっていました。

防災パン「缶パン」も持ってきてくれましたよ。


商標の関係で正面から写真を撮ることができないのですが、こちらのパンを提供してくれました。


「缶パン」と聞くと硬くてパサパサしているイメージですが、オレンジピールが混ぜ込まれており、フワフワでとても食べやすく、とても美味しいパンでした。

こちらの備蓄缶パンは「救缶鳥プロジェクト」に参加しており、備蓄いただいたパンの缶詰を賞味期限前に回収して飢餓地域や被災地にお届けているそうです。

以上が展示の紹介です。



今回の防災キャンプのメインは「防災さんぽ」。
那覇市防災危機管理課にご協力いただき、新都心公園内にある那覇市最大の備蓄庫を案内してもらいました。
こちらには10年間保存できる水や非常食、トイレットペーパーなどの日常用品が保管されています。


一般社団法人災害プラットフォームおきなわ」共同代表理事の稲垣さんに、公園が災害時にどのような機能を果たすことができるのかを解説していただきました。
大きな建物や電線がない公園は、避難所として最適な場所です。
地震や火災、地震や津波などあらゆる災害時においても一定の安全を確保することができます。

新都心公園には、マンホールトイレや耐水性貯水槽などもあるのですが、今回は大雨の影響で、まわることができませんでしたが、なは防災キャンプ'19秋で紹介しています。興味のある方はぜひ、ブログをご覧ください。(こちら


ものすごい大雨が降ってきてテントの中に避難したり、傘を開いたり閉じたりと、慌ただしい「防災さんぽ」となりました。


片付けが終わり、終了の挨拶のころには、スッキリしたいい天気となりました。
参加者からも「突然の雨などで対応が大変だったが、災害を想定できてよかった」「普段意識していないことを気づかされた。自宅の対策を全くやっていないので、食糧備蓄からやってみようと思う」などのご意見をいただきました。
参加者自身が防災について考えるよい機会となりました。防災キャンプは春夏秋冬と、季節ごとに開催しています。今回は比較的暖かい夏キャンプでしたが、寒くなるにつれて必要な備品も変わってきそうですね。みなさんは公園に避難することになったら何を持っていきますか?この機会に考えてみてくださいね。
大雨が降ったり止んだりと不安定な天気の中の開催でしたが、参加者の皆さま、お疲れ様でした。
次回の防災キャンプ’21 秋は、講演会を開催予定です。


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主催:一般社団法人災害プラットフォームおきなわ/那覇市若狭公民館

後援:那覇市防災危機管理課

協力団体:Happyぼうさいプロジェクト/人も犬も猫も幸せなまち創り隊Okinawa

助成:一般社団法人沖縄しまたて協会

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