高垣氏は、登校拒否などで学校に行けず、そんな自分を責めて救いがなくなった子どもたちに対し、自分を責めなくてもいいよ。学校に行かない行けなくても、そのままのあなたで大丈夫だよ、というメッセージをこめて名付けたといいます。
よく、自己肯定感が高いとか低いとかという言い方を耳にしますが、高垣氏のつけた意味では、高いとか低いで測れるものではなく、ただそのままで、いいところもダメなところも全てひっくるめた子どもの存在そのものを肯定することを言うそうです。自分は自分。他人と比べず、そのままでいいんだよーと、両親など身近な大人が丸ごと認め、受け止めることが大切なのだそうです。
精神科に相談に来るのはだいたいは親。心配も不安も何もかもひっくるめてまずは話を聞くと、「わかりました。私は先生がやってくれたように子どもの話に耳を傾けなければいけなかったんですね。」と言い始めるのだそうです。その話をききながら、子どもはもちろんですが、悩みを抱える子を持つ保護者の方にこそ自己肯定感は必要なものではないかと思いました。
先生の自己肯定感を与える方法はただ話を聞くこと。話を聞いてもらううちにだんだんと自分を肯定できるようになってきて、その時はじめて、自己肯定感を得たという風に感じるそうです。人から心配ごとなどを打ち明けられた際、「大丈夫だよ〜」「そんなことないよ」とフォローのつもりでつい言ってしまうことが多々ありますが、先生に言わせると、それはその人の言っていることを否定することになってしまうとか。
まずはそうだったんだね。大変だったね。というように話をそのまま受け止めるとよいそうです。
考えてみると、人からよく相談を受けている若狭公民館の館長は人を話をひたすらよく聞いています。館長がやっていたのはこういうことだったのかと腑に落ちました。
「自己肯定感は『人生の浮袋』。厳しい社会で生き、沈んでも浮き上がれるように、親は愛の息吹で子どもの自己肯定感を膨らませてほしい」と高垣先生。親はひたすら息吹で浮袋を膨らましつづけなきゃなんですね。勉強ができなくても、いい子じゃなくても、元気で日々幸せを感じてくれていたらいいですよね。(完全に親の感想です!)
居場所を使う子どもたちにも、それぞれいろんな事情があったりするのかな?私たち大人にはわからない事情があったりなかったりするのかもしれませんね。
若狭児童館の先生方は子どもと接するプロですが、子どもたちだけでなく、親の気持ちにも寄り添いながら、よく話を聞いてるようです。 私たちの子どもの居場所は児童館だけでなく、公民館でも体験活動ができるようになっています。 公民館を活用する皆さんの話にもっと耳を傾けたいと思いました。(sato)