10月30日(土)13:00~17:00「なは防災キャンプ'21in那覇JC会館」を開催しました。
会場となる那覇市青年会議所会館(那覇JC会館)2Fには、ダンボールで作った避難所のモデルルーム、キャンパーによる快適にすごせるテントと宿泊・ダイニングセット、那覇市の公民館の備蓄品であるパーティションと、簡易ベッドを展示しました。
防災キャンプとは「防災訓練×キャンプ」をかけあわせて、宿泊しながら擬似避難所体験をしようという企画です。
防災キャンプには3つのルールを設けています。
①自己完結
②シーズン毎にやる
③できれば宿泊する
防災キャンプには、公園などの避難所になりえる場所で過ごすためにはいったい何が必要なのか、自分で考えてほしいという狙いから、必要最低限の情報しかお伝えしません。また季節や気候によって必要なものは変わってくると思います。そのあたりも考えられるといいなーという思いから、シーズン毎に開催しています。
宿泊体験を通して得たさまざまなことは、今後自分や、自分の大切な人の命を守るための大事な一歩になります。
今回は那覇青年会議所(JC会員)の方々に向けて、防災について考える防災デイキャンプを開催しました!
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なは防災キャンプ'21inJC会館
【日時】2021年10月30日(土)13時〜16時
【場所】一般社団法人 那覇青年会議所
【対象】那覇JC会員
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「一般社団法人災害プラットフォームおきなわ」の共同代表理事であり、那覇青年会議所第33代理事長でもある有村さんから後輩であるJC会員の皆さんに向けてのビデオメッセージから始まりました。
阪神淡路大震災の際、被災した有村さんは、那覇青年会議所・沖縄地区協議会の方々に声をかけて、神戸の街へ支援へ向かったそうです。東日本大地震の際も青年会議所つながりで、東北へと支援に向かった話から、JC会員が地域で担うべき役割などについて先輩の立場から熱いメッセージを送りました。
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JC先輩の声に真剣に耳を傾ける現役会員の皆様 |
元来の防災訓練では決まった参加者しかいなかったことから、子どもや若者と地域を巻き込んだ防災プログラム「リッカ・ヤールーキャラバン」の開発、防災訓練とキャンプを掛け合わせた「防災キャンプ」の開発の経緯を語ってくれました。
- 地域最大の防災課題
- 災害時、地域の企業が果たした功績
- こんな支えがあったら助かる
- まず、私たちの「足元」を知ろう
地域最大の防災課題とは、なんだと思いますか?
それは、避難所まで避難できない方が多いということだそうです。
高齢者・障がい者・乳幼児など、避難所へ向かうまでに時間がかかる方々が多いということ。そして、それを支える元気な方々が少ないということです。
災害時に車椅子の方や寝たきりの方を介助しながら避難所へ向かう難しさを、事例を交えながらいかに支える人の力が必要になるのか強く語られていました。
災害時、地域の企業が果たした功績として阪神・淡路大震災の復興支援に、新聞社や地域商店街が貢献した事例をうかがいました。
列車脱線事故の現場では、企業が率先して救助活動を行い、病院への搬送を近隣企業が社用車や自家用車を使って行った事例が紹介されました。
ショッピングモールが震災時に避難所として開放された事例では、食料が配布されたり、薬剤師が適切な薬の提供をしていた話がありました。
地域の大学や専門学校では、帰宅難民の受け入れをし、場所だけでなく食料の提供もあったそうです。
こんな支えがあったら助かるでは、水の大切さがあげられました。災害時、島国の沖縄では他県からの助けがくるのに時間がかかります。水も同様です。それを補うためには、給水車や仮説トイレなどがあるとよいそうです。
また、各家庭が3日分の食料を持ち寄れば、1週間はみんなで食べていけるぐらいの食料が確保できるとのアドバイスをいただきました。3日分の食料といっても、特別に準備しておくというより、冷蔵庫にあるものを持ち寄ったり、普段から使っているツナ缶やポーク缶を持ち寄る感覚だそうです。沖縄伝統的な料理や風習を再評価する考え方が大切とおっしゃっていました。スーチカーや油味噌、スクガラスなど沖縄ならではの保存食を普段から活用してみてもよいですね。
黒糖には、ビタミンやミネラルが多く、非常食としても優秀な食材!ぜひ活用してほしいとおっしゃっておりました。
まず、私たちの「足元」を知ろうでは、小禄地域の地層や埋立地などを沖縄県のデータを交えながら教えていただき、地域の公園や歩道を歩きながら「防災さんぽ」もしました。
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公園の外側に木が植えてあるのは防火林の役目を果たすため! |
実は、小禄地域にも断層があります。知られていないかもしれませんが、古い断層も、地震の原因になるそうです。
断層がある場所を実際に訪れて講義を受けることにより、より理解が深まりました。
「防災さんぽ」から会場に戻り、会場の展示ブースを見学、それぞれの解説を踏まえながら、実際に参加者に体験してもらいました。
「防災プラットフォームおきなわ(DMPO)」による避難所モデルルームは、新垣さんが段ボールを使ってあっという間に作成したものです。数枚の段ボールがあれば、簡単にプライベート空間が作れるなんてすごいです。実際にみてみることで、いざ被災してしまった時、家族のために、簡易避難所をつくることができますね。洗濯物が干せるように紐もかけてありましたよ。
キャンパーによる快適にすごせるテントと宿泊・ダイニングセットは、びっくりするくらいリラックスできる空間でした。寝袋の下にはコンパクトにたためるエアーベットと足つきベットを設置。横になってみたらぐっすり眠れそうです。災害時には、いかに快適に眠れるかが重要になると稲垣さんはいつもおっしゃていますが、キャンプの知恵が防災にいかせそうだということがよくわかりました。
若狭公民館から展示したパーティション・簡易ベッドは、備蓄品として那覇市の全公民館に置かれています。台風などで避難所開設された際に、活用しています。この大きなパーテーションが袋から開けると一瞬で広げることができます。薄くて壁に密着させて保管できるので、企業で保管されるといざという時に役立ちそうですね。
参加者からは「震災が発生してからでは遅く【防災】に関する知識量によって自らの命、そして近くにいる人の命を救うことができるものだと思っている。自分達が住む地域の状況や可能性を知ることができ学び深いものとなりました。」「防災というジャンルに関心はありましたが、どこで学べるかは知りませんでした。このような機会を通じて勉強することができて良かったです」などのご意見をいただきました。
日頃は仕事で忙しく、防災を学ぶ機会がないけれども、災害時には協力体制が必要となる企業人に向けた防災講座となりました。今回のような、災害における企業の役割に注目した防災キャンプのあり方も視野にいれていけたらと思います。
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「なは防災キャンプ'21in JC会館」
主催:那覇市若狭公民館・NPO法人地域サポートわかさ
共催:一般社団法人災害プラットフォームおきなわ
協力:一般社団法人那覇青年会議所
助成:沖縄しまたて協会
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