2013年4月15日月曜日

ユタと若狭と中国文化

ユタって聞いた事ありますか?

アメリカの州の名前ではないですよー(笑)


ユタというのはハンジ(占い)をする沖縄のシャーマンのことを指します。いつごろからユタ文化があったのかはさだかではありませんが、沖縄の精神文化を語る上で絶対にはずせないのが、このユタとノロという存在です。


簡単にいえば、ユタというのは民間の霊能者的存在で、ノロというのは首里王府から任命された、儀式を司る女司祭といった感じになります。ユタは王府から認められていた訳ではないので、過去に迫害されたり、「時双紙(ときそうし)」と呼ばれる秘伝の巻物を焚書にされたりと、いろんな事件がありました。(その中心的人物だったのが蔡温という政治家でしたが、これはまた別の機会に)


とにかく、沖縄では「ユタコーヤー(ユタを買う事)」という言葉もあるくらい、ユタというのはポピュラーな存在でした。


ところが若狭公民館のある地域の、久米や辻と呼ばれる地域では、ユタというのはあまり迎合されませんでした。


この地域には、久米三十六姓と呼ばれる中国からの寄留者や本土からの移住者が多く住んでいる地域でした。そのため中国文化の影響が強く、占いと言えば中国式の易などが一般的で、ユタを買う、ということは忌み嫌われていたようです。


しかしながら、現在ではそのような中国式の占いはすっかり陰を潜めてしまいました。かわりに中国式の孔子廟などが今も残り、地域の人たちの礼拝の対象になっていて、中国からの観光客などでもにぎわっています。


若狭を訪れた際には、ぜひ中国文化あふれる孔子廟や久米至聖廟などにも足を運んでみて下さい。(小)