2013年4月9日火曜日

夫婦瀬公園

若狭のはずれに、夫婦瀬(みーとぅじ)公園というものがあります。昔は海でしたので、その名残で波に削られた岩がそのまま残っている公園です。その一角にウタキ(御獄)と呼ばれる地元の神様を祀った拝所があります。記載等はありませんが、海に近い場所に祀られたものは龍神様を祀っている場合が多いので、おそらくここもそうだと思われます。


沖縄のウタキは、だいたい三つの神様を祀っている場所が多く、中心となるものを後ろから守るようにして、左右に二つの神様がおられます。中心にあるのは、多くが竜宮神(龍神)、もしくはその土地の神様で、左右に火ぬ神(ひぬかん)やビジュル(霊石)などが祀られてあります。

このウタキは夫婦瀬公園の中にあり、だれでも参拝する事が出来るのですが、沖縄のウタキの中には男子禁制の場所等も今も存在しています。(久高島のフボーウタキなどは、現在では島の限られた人以外、入る事を許されていません)。また世界遺産になった南城市の斎場御獄(セイファウタキ)などでも、昔は王様が参拝するのにも、神の怒りを恐れてわざわざ女装して入ったという話も残っています。

また夫婦瀬公園の中には、波に削られた岩が今もそのまま残っているのですが、このような削られた石が、じつは那覇市の「なは」の由来にもなったという説があります。

那覇の由来にはいくつも説があって、その一つに、波に削られたキノコの形をした岩があって、方言でキノコのことを「なーぱ」といい、その岩のせいで「なぱ」がなまって那覇になったという説があります。また他の説では「漁場」(なわば)であったせいで、「なわば」がなまって那覇になった、というものもあります。



どれが正しい、というのは学会でも確定されていないので、ここはみなさん、どうぞ那覇および若狭に実際に来ていただいて、ご自分の目で確かめてみる以外、方法はなさそうですね。(小)