2016年1月6日水曜日

私にできること〜公民館トークショー④〜

8月に始まったこの講座も、いよいよ最終回。
今回は、若竹福祉会の村田涼子さんをお迎えしてお話を伺いました。
テーマは『生涯、みんなが役割を持っている』。



村田さんは、何かできないかなと思っていた時に点訳を始め、その後、手話の講習会に行ったことから手話サークルにはいることに。サークルで「若竹作業所をつくる会」(若竹福祉会の前身)の応援をしていたことから、専属ボランティアのようになっていったのだとか。そして、職員になりませんか?と声をかけられ、その後 施設長に。

最初の自己紹介の時に、若竹作業所時代から現在に至るまでの歴史を伺ったのですが、実にたくさんの、そして大変な困難をくぐり抜けてきたのだな…と壮絶な話に驚いたり感動したり…。中でも、頑張って資金を集めてようやく完成した作業所が、喜びも束の間に全焼してしまった話では村田さんの人柄を感じました。
火事の原因は、近所の中学生のタバコ。でも誰がやったのかは特定できなかったそうです。その時、村田さんは、見つからない方がいいと思ったといいます。
なぜなら、もしそのことがわかってしまったら、その子の家族や本人はずっと罪の意識を背負って生きていかなくてはならない。そんな想いをさせるより、先に進むことをしたかったとお話されていました。そうやって再建のため奮闘した結果、なんと、3ヶ月で立て直しに成功したのです!!



数々の困難をどう乗り越えてきたのか尋ねられると、
「その時その時で、人に恵まれてきて、いつも応援者がいました。」
村田さんのお話を伺っていると、人とのつながりや人に助けらてきたことが頻繁に出てきて、利用者さんや周囲のみなさんに自分は生かされているという想いが強く感じられました。
気をつけていることは?との質問にも「人は大事にするということ」と答えていたのも印象的でした。自分は完全ではないけれど、たりないことは人が補ってくれる、とも。

「人が大好き!」と言う村田さんは、目の前に困っている人がいたら全力で助けずにはいられないそうです。なので若竹福祉会も、ビジョンがあって、こういうことをやったらいいねと考えてやってきたわけではなく、その都度の全力投球の結果。
若竹の建物も必要に応じて継ぎ足しを重ねたパッチワークです、と笑っていました。



この日に出たいくつかの質問の中で、
「障害を抱える方たちと接する時に、良いことだけではなくストレスもあるのでは?」
という問いがありました。
「相手に対してイライラするのは、自分の思い通りにしようとするから。無理やりこちらに引っ張るのではなく、その手を緩めてみたらお互いを尊重し合えます。」

この「尊重する」という考え方は随所に感じられました。
若竹では、その人がその人であることがとても大事にされているんだな…と胸が熱くなりました。




4回の「私にできること」でお招きした皆さんは、タイプもやっていることも、全く異なる方々でした。
でも全員に共通していたのが、自分に正直なこと。想いが先にあって行動しているから、言葉にも説得力があり、動き方がダイナミック。それから、「それをすると、自分や他人が喜ぶ。」ということも自分にできることを考える上でヒントになるのではないかと思いました。人の来た道や想いを聞きながら自分とも向き合える、素晴らしい時間となりました。(真)